African-pattern
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夕暮れに砂漠の中で飯の支度をしながら、その日に出会った宝物のような光景を何げなく「短歌」などにしていました。
写真でもなく、エッセイでもなく、こんな短歌なのですが、拙者も後になってその光景が目に鮮やかに蘇る不思議に驚きました。
盲者の手を引いて、炎天下、先には村も町も見えないブッシュの踏み分け道を歩いていた親子の姿など、
おそらく一生脳裏から離れないだろうと思えます。
FireFoxではふりがなを付けられないので省いていますが、ルビに対応したブラウザーではふりがな付きになっています。

ひとびとらし



 マンゴーの きょぼくしたに すわりおり ちいさきろう しずかに



 みどりき なみかげに むらびとつどい そのふかくろ カメラにうつらじ



 バオバブの いて むらがあり ひとひつじも つちよりいしか



 アフリカの つちからまれ つちき つちもどるを われくちざす



 ロバみちを もうもくおとこに いて あゆろうの ほそあしくび



 いくすじも わかきたるみちすじを ロバしゃにまかせ むすめたりぬ



 ヨタヨタと ひょろひょろとつづくロバしゃのわだち おんながあやつる どもせて



 すなそら えねども しゃくねつの みち われ



 どろいろの みずたまりにも せんたくの おんな姿すがた うつくしきかな



 ワーダベの むすめりし ロバにい ほおのいれずみ なんとわい



 ほこりたつ みちちゃみせのブルキナベ ちいさきベンチ われゆずりぬ



 マンゴロー あたまにのせて りにぬ むすめひとみ とき



 オニオンを もとめるわれに あつまりし にんむすめ じてえらびぬ



 すなほこりとディーゼルの におかなしきこうてん いくつもの われきたり 



 こわもての くろおとこに みこぼれ われなにみて ひとはからん



 プラさらに むすめりし ゆうめしの しるかけめしの うまさかなしき



 アボガドよ これプチポワよ これはツナ みに おんなおも



 かたあしと かたさえない おとこにも わずかなるぜに あたえるかなしさ



 みちかん すなき なんかいも われおしえる やさしきマリアン



 ごくでも これほどみちは わるからじ めいげて はしるカミオン



 ネジりれ どうよこたう カミオンの かげに ひとうごかず







ひとたびひとかん



 みちれ すなふかかりし ほうがくを GPSす なんかなしき



 つかて すわみ ながる うすきサンダル アカシアのとげ



 かおあらい あらいては あしあらいい てるをしむ いちリットルのみず



 黄昏たそがれに みちうしないて とるめしの つきしろさや われのおかしさ



 よるやみ とおとどけき ロバのこえ か こころさびしき



 つきよる りし しずけさに すなしろさや サハラのせつげん



 つきに アリャハイホイハッと ラクダる トゥアレグのおとこに とりはだ



 ほこりたて すうひゃくうしに いたり このトゥアレグにうため たびはあり



 トゥアレグの えし おとこたち ふかみず むかしわらず



 ちて はんこくほどのやみに ひゃっキロのみち ちぬ



 かぜやみぬ サヘルのれの いわかげの いえうしの うらめしきかな



 りし わだちつけん おかち いのりをささぐ わかものつけぬ



 いくせんの うつくしきを ぎつつ カメラにおさめず こころにしまいぬ



 ひとすじの わだちり ちすくむ しゃくねつしたの うたかたのゆめ



 いまひとつ われりたし アフリカへ なんもどれば ゆめかないし



 げんだね つまでんの ふつの サハラにまよいし われがおかしき



 テネレより かんぷうれし すないぬ サハラのおきてに さか



 たかし かげなきサヘル わだちあり くねくねと辿たどる ロバのごときに



 ハッサンを っているかと おとこ われにあふれる じゅうねんさいげつ



 ガレばく タイヤく いわきば なおわりて ほうがくうしな



 かたれども だれもわからぬ じょうけいを こころめて われかえらん



 きすさみ おもかりし ひがしかぜ またもかなわぬ テネレへのたび




そのほか



 たましいの よるべなき ひろがらぬ このらず がイスラムをけなす



 けて わすれじとおもい はんにゃしんぎょう このむねひびかず しゅうきょう



 このは もううんざりと りしのち おもばかりが なぜわれらぬか



 すなふかき まちあるきて われおもう シリコンバレーも しょせんへんきょう



 ポリシエの ボンボワヤージュ りて われる かんしゃめて



 はてての うみくずれん 西にしサハラ さらにおきには いさふね



 まんてんの ぞらながれし あまがわ むすめせたし アフリカはとお



 うつくしきむら つちゆうに たたずみて あかりなきやみ つつ



 じんせいで これがさいめたあと ボートですでに アフリカをおも


 
※ワーダベ…西アフリカの遊牧民の一族
※ブルキナベ…ブルキナファソの人
※マンゴロー…マンゴー
※鳥肌の立つ…トゥアレグを恐れているのではなく、砂漠の民である彼らの孤高への感動です…
※ハッサン…サハラ・サヘルを長いこと旅していた私の旧友の名
 
ー 下手な短歌にお付き合いしていただき、ありがとうございます ー